森と清流

天然水に付いていたボトルキャップフィギュアです。

アオバズク

青葉梟 【学名】Ninox scutulata
頭巾をかぶったような黒褐色の丸い頭に、大きな黄色の目がよく目立つ、どことなく愛嬌のある姿のフクロウ。名は、青葉が美しい季節に姿を現すことによる。ハトほどの大きさで、夏に日本全国の平地や山地の林に渡来し、気の洞などに巣を作って子育てをする。巣立ったばかりの若鳥は、しばらくすの近くに留まるが、やがて離れていく。
夕暮れから飛び回り、カエルなどの小さな生き物や、街灯などに集まる昆虫を食べる。「ホッホー、ホッホー」と鳴くがこの声を、フクロウと勘違いしている人も多い。フクロウの声は「ゴロスケホッホー」で、聞けばすぐわかる。

カッコウとオオヨシキリ

郭公  【学名】Cuculus canorus
大葦切 【学名】Acrocephalus arundinaceus

夏の草原や林に「カッコー、カッコー」と特徴のある鳴き声。しかし声よりも、他人まかせの子育て(托卵)で知られる鳥がカッコウ。托卵の相手はオオヨシキリやモズなどが多い。
托卵は卵の生み捨てではない。親は自分の卵を1個残す分、仮親の巣の卵を1個捨てて数のつじつまを合わせる。他の卵より先に孵化することも計算済みで、生まれた雛は他の卵を巣から落として、親の愛情を独占する荒技をくりだす。カッコウはオオヨシキリより、はるかに大きい。仮親となったオオヨシキリは、自分よりでかい図体の「我が子」を、疑いもせずせっせと育て上げる。

カワセミ

翡翠 【学名】Alcedo atthis
背はメタリックに輝くコバルトブルー、胸はあざやかなオレンジ。「飛ぶ宝石」の名にふさわしい美しい鳥。ツバメほどの大きさで、自然が残る川などの水辺でくらし、魚などを捕らえて食べる。飛びながら、「チッピー」と鳴く。空中でホバリング(停空飛翔)しながらねらいを定めて、弾丸のごとく水中にダイビングし、くちばしで獲物をがっちりはさむと、翼を広げて水から飛び出す。大きな魚は石にたたきつけ、弱らせて飲み込む。
繁殖期にはつがいとなり、オスがメスに小魚などをプレゼントして、求愛する仕草が微笑ましい。
水辺の土手などに巣穴を掘って、子育てする。

ヤマセミ

山蝉 【学名】Ceryle lugubris
家内の職場の同僚から頂いたのですが、残念なことに説明書がありませんでした。・・・(T_T)

アマゴ

天魚 【学名】Oncorhynchus masou ishikawae
西日本を中心に、川の上流の冷たく澄んだ渓流にすむ。「西の渓流の華」と賞賛され、ヤマメと並んで渓流釣りの人気魚。全長は30cmに満たないほどで、姿や生態もヤマメとよく似ているがアマゴの体側には、小さな赤い点が散っていることで区別できる。アマゴは漢字で「雨子」とも当てられ、小雨が降るような日によく釣れるからと言う。アメノウオ(雨の魚)など、雨にちなんだ地方名はよく見られる。
アマゴの降海型が、サツキマス。うみで40cm以上にまで成長する。五月(さつき)頃に川を上るのが、名の由来とされる。

ヤマメ

山女 【学名】Oncorhynchus masou masou
北海道から九州まで、川の上流の、水が冷たく、きれいな渓流にすむ。体の側面には、小判型の青い模様(パーマーク)が並ぶ。パーマークは、サケ科の幼魚の特徴だが、ヤマメは成熟しても「お子様印」が残る。漢字では「山女」、女性的で優雅な姿から「渓流の女王」と呼ばれている。しかも美味しいあって、釣り人に絶大な人気を誇る。
同じヤマメでも、成長期に海に下ってまた戻るもの(降海型)がいて、サクラマスという別の名をもつ。桜の頃、産卵のために川を上るのが名の由来。サクラマスは全身が銀色で、体もヤマメよりはるかに大きく、60cmほどまで成長する。

ウグイ

石斑魚 【学名】Leuciscus hakonensis
日本各地で広く見られる、30cmほどのコイ科の魚。水中の藻類や昆虫、魚の卵まで、なんでもござれの雑食派。「ウグイ」の語源には「鵜が食べる魚」など諸説あり、地方によってはアカハラ、ハヤなどの名の方が、馴染みがある。凍るような雪解け水の中で釣り上げる「寒バヤ」は、美味。
一生を淡水で暮らす陸封型と、何年か川で暮らした後で海に下り、その後また川に戻る降海型がいる。産卵期には、体に3本の鮮やかな赤い縦縞の婚姻色が現れる。上流の、石が多い早瀬が産卵場所となり、群れで一斉に川を遡上する。小さな滝ならものともせずに、水しぶきを上げて遡る。

タゴガエル

田子蛙 【学名】Rana tagoi tagoi
本州、四国、九州の山地の渓流にすむこのカエルは、見た目は普通だが、繁殖方法が変わっている。
タゴガエルは、3~6月の産卵期になると、渓流沿いの岩の隙間や、地下をゆっくりと流れる伏流水(浅い地下を流れる水質の良い水)に、大きな卵を30~160個ほど産み付ける。この数は、1000個以上も珍しくない、日本のカエルの産卵数の中にあって、格段に少ない。卵は卵黄が非常に大きい。孵化したオタマジャクシは、餌をとらずに、この卵黄だけを栄養分として成長し、変態して上陸する。餌探しのリスクがない分、卵の数も少なくてすむ、ということなのだろう。

カワネズミ

川鼠 【学名】Chimarrogale himalayica
名はネズミでも、実はモグラの仲間。体つきと長い尾も中型のネズミ似だが、見落としそうな小さな目は、まさしくモグラの血筋。以前は、北海道と沖縄を除く河川に普通に住んでいたが、今では山間部のきれいな渓流でしか見られない。しかも動きが素早いため、めったに出会うことがない。
泳ぎも潜水も得意の水陸両用で、手足の指の間には、水かきの役目をする剛毛が生えている。昼も夜も活発に動き、水中で昆虫やカニ、時には自分より大きな魚も捕まえて食べる。柔らかくて密に生えた毛は、水中では気泡を含んで美しい銀色に輝き、「銀ネズミ」とよばれることもある。

オオルリボシヤンマ

大瑠璃星蜻蜒 【学名】Aeshna nigroflava
その名のとおり、体全体に鮮やかな瑠璃色の模様が目立つトンボ。「瑠璃」の名をもつトンボは数あるが、オオルリボシヤンマはオニヤンマに次ぐ大型種で、見るからに颯爽とした姿を水面に映しながら、羽音を立ててパトロール飛行をする姿は特に美しい。メスは、緑色型と青色型の2種類の色合いのものに分かれる。日本の特産種で、寒冷地の丘陵や山地の水生植物が繁った沼地にくらす。夏には、北海道の高地の高層湿地から、羽化して飛び立つ姿も見られる。
オスはなわばり内でメスを見つけて交尾し、メスは、単独で水面近くの植物に産卵する。

サワガニ(赤系)

沢蟹 【学名】Geothelphusa dehaani
透明で冷涼な水が流れる谷川で、たわむれに転がした小石の下から、あわてふためくサワガニが現れることがある。若いカニはほとんど水から出ることはないが、大人のカニは朝や夕方に近くの草むらにも出向いて、餌の昆虫などを探す。
カニの仲間は、普通、卵を水中に産み放つ。リスクが高い分、何万個という数で、生き残る率を高める。しかし、サワガニの場合はちがう。せいぜい30~70個ほどの、大きな卵を腹に抱き、孵化した後も、そのまま抱えて世話をする。もっとも危険な時期を庇護の下で過ごした子ガニたちは、やがて1匹1匹と母のもとを離れていく。

サワガニ(青系)

沢蟹 【学名】Geothelphusa dehaani
生物は、同じ種であっても、色や模様にさまざまな変異が現れることがある。サワガニの場合、紫黒色、茶褐色、青灰色の3つの基本的な体色パターンが知られている。並べてみると、本当に同じ仲間? と疑いたくなるほどの色違い。色味は、生息場所ごとに決まっていて、たとえば神奈川県、福岡県は圧倒的に青灰色軍団が占める。特に箱根は青灰色の天下で、ときに白もまじる。
普通は茶褐色をしているサワガニだが、赤色の色素が欠けたものが、遺伝的に固定されて伝わっているらしい。さらに青色色素の抜けていくと、白っぽい個体になる。